Activity of striatal neurons reflects social action and own reward.
Baez-Mendoza R, Harris CJ, Schultz W.
Proc Natl Acad Sci U S A. 2013 Oct 8;110(41):16634-9.
線条体細胞が社会的コンテキストにおいて他者の報酬・行動を反映した応答を示すという論文です。向かい合った二頭のサルが交互に行動し、自己/他者の報酬の有無が刻々変わる。線条体前部(被殻・尾状核)の投射細胞はさまざまなタイミングで応答し、その多くが自己の報酬の有無だけをコードしていたのだけれども、自己の行動・他者の行動の情報を持ってるやつも少なからずいました。相手をサルからコンピュータに変えると応答がなくなる細胞もいることが確かめられたので、これはソーシャルであろう、と結論してます。いままでご紹介したサル電気生理の仕事では、前頭内側皮質やOFC、またACCなんかが他者の行動や報酬に関係する活動を示すことを報告していますが、社会的な文脈における運動と報酬情報を両方持ってる脳部位として、線条体は重要であろう、という。
とはいえ、後からごちゃごちゃ解析してる割にはTask epochごとの活動のちがい、Error trialによるReward/Action valueへの影響なんかについては言及していませんし(他者行動ニューロンはAction prediction errorみたいな応答をしている)、記録部位による活動の違いもありそうですけど何も記述がありません。サルは二頭しか使っていませんが(集団飼育している4頭のうちの順位の低い2頭を使用)、ヒエラルキーも影響するでしょう。もうちょっと突っ込んだ解析を期待したいところです。また、コントロール実験でコンピュータを相手にすると活動が変わった細胞がいましたが、半数以上がその影響がないわけで、皮質下の脳領域において、どこまで社会的状況が大事なのか疑問が残ります。
PDF | SLIDE
おまけ
Ant colonies outperform individuals when a sensory discrimination task is difficult but not when it is easy
いつでも集合知が良いわけじゃないという話です
Baez-Mendoza R, Harris CJ, Schultz W.
Proc Natl Acad Sci U S A. 2013 Oct 8;110(41):16634-9.
線条体細胞が社会的コンテキストにおいて他者の報酬・行動を反映した応答を示すという論文です。向かい合った二頭のサルが交互に行動し、自己/他者の報酬の有無が刻々変わる。線条体前部(被殻・尾状核)の投射細胞はさまざまなタイミングで応答し、その多くが自己の報酬の有無だけをコードしていたのだけれども、自己の行動・他者の行動の情報を持ってるやつも少なからずいました。相手をサルからコンピュータに変えると応答がなくなる細胞もいることが確かめられたので、これはソーシャルであろう、と結論してます。いままでご紹介したサル電気生理の仕事では、前頭内側皮質やOFC、またACCなんかが他者の行動や報酬に関係する活動を示すことを報告していますが、社会的な文脈における運動と報酬情報を両方持ってる脳部位として、線条体は重要であろう、という。
とはいえ、後からごちゃごちゃ解析してる割にはTask epochごとの活動のちがい、Error trialによるReward/Action valueへの影響なんかについては言及していませんし(他者行動ニューロンはAction prediction errorみたいな応答をしている)、記録部位による活動の違いもありそうですけど何も記述がありません。サルは二頭しか使っていませんが(集団飼育している4頭のうちの順位の低い2頭を使用)、ヒエラルキーも影響するでしょう。もうちょっと突っ込んだ解析を期待したいところです。また、コントロール実験でコンピュータを相手にすると活動が変わった細胞がいましたが、半数以上がその影響がないわけで、皮質下の脳領域において、どこまで社会的状況が大事なのか疑問が残ります。
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おまけ
Ant colonies outperform individuals when a sensory discrimination task is difficult but not when it is easy
いつでも集合知が良いわけじゃないという話です
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