2013/05/23

2013/05/23 榎本

Potent social learning and conformity shape a wild primate's foraging decisions.
van de Waal E, Borgeaud C, Whiten A.
Science. 2013 Apr 26;340(6131):483-5.

前回の発表に引きつづき、野生ベルベットモンキー集団の社会的学習についての話題です。今回は体制順応性(Conformity / Norm)。青色またはピンク色のトウモロコシに対する選好性を集団ごとに作りだし、新生児と、別の選好性を持つ集団から移ってきた雄ザルが、どちらの色をさいしょに選ぶのかを調べました。結果、新生児は100%母親と同じ選好を示し、移住してきた雄ザルも、(自分より上位の個体の行動を観察していれば)新しい集団の流儀にならうことが確かめられました。郷に入りてはなんとやら、というやつですね。すごい。

とはいえ、数ヶ月間の選好性の変化や、個体の順位変動にともなう行動変化、遺伝子解析(現在進行中らしいです)なんかの、もうちょい詳細なデータがほしいところではあります。

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2013/05/23 高見

研究は「いじめの脳科学」をテーマにしたいと考えています。
そこで今回のセミナーでは以下の論文を紹介します。

The interactive effect of social pain and executive functioning on aggression: an fMRI experiment.
Chester DS, Eisenberger NI, Pond RS Jr, Richman SB, Bushman BJ, Nathan C.
Soc Cogn Affect Neurosci. 2013 Apr 17

社会的排他をされるとdACC(背側前帯状皮質)が賦活化されることは報告されていましたが、本研究では社会的排他と攻撃性との関係を心理学的課題とfMRIを使って神経科学的に初めて示したと著者たちは主張しています。

今まで分子生物学的なことをやっていて、
まだこの分野について不慣れな部分が多いですが、
どうぞよろしくお願いいたします。

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2013/05/17

2013/05/17 鮫島

私は、PNASに出ていたFEF へのドーパミンD2作動薬・D1拮抗薬の意思決定への影響を調べ、計算モデルで再現したSoltaniらの論文を紹介します。

Dissociable dopaminergic control of saccadic target selection and its implications for reward modulation.
Soltani A, Noudoost B, Moore T.
Proc Natl Acad Sci U S A. 2013 Feb 26;110(9):3579-84.

ドーパミンの影響は強化学習などでは線条体や皮質ー線条体シナプス可塑性に関連づけた仮説によって説明されてきていますし私もそれに乗っかっていますが、皮質でのドーパミンの影響についてはあまり知られていないのが現状だろうと思います。特に前頭葉のD1/D2 受容体の意思決定における役割について考えるきっかけになればとおもいます。よろしくお願いします。

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2013/05/17 渡邊言也

Komura Y, Nikkuni A, Hirashima N, Uetake T, Miyamoto A.
Nat Neurosci. 2013 May 12.

視床の一部であるPulvinar(視床枕)はこれまでにAttentionや眼球運動、無意識の情動反応などに関係していると言われてきましたが、その脳における計算理論的な役割は不明でした。本研究ではこのPulvinarには主観的なPerceptualconfidenceの情報が表現されているということを明らかにしました。

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2013/05/10

2013/05/10 木村

Distinct extended amygdala circuits for divergent motivational states.
Jennings JH, Sparta DR, Stamatakis AM, Ung RL, Pleil KE, Kash TL, Stuber GD.
Nature. 2013 Apr 11;496(7444):224-8.

Diverging neural pathways assemble a behavioural state from separable features in anxiety.
Kim SY, Adhikari A, Lee SY, Marshel JH, Kim CK, Mallory CS, Lo M, Pak S, Mattis J, Lim BK, Malenka RC, Warden MR, Neve R, Tye KM, Deisseroth K.
Nature. 2013 Apr 11;496(7444):219-23.

Bed nucleus of stria terminalis (BNST) 分界条床核は「偏桃体の伸びた部分」"Extended amygdala"とも呼ばれ、情動の統合と表出に関わる神経核です。最近注目されているところで、mouse optogeneticsを使って調べた研究がnatureに掲載されました。

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2013/05/10 上條

The analysis of input integration around the dendritic branches in dentate granule cells

「海馬歯状回顆粒細胞の樹状突起分岐周辺における入力統合について」

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