2014/05/27

2014/05/27 池上

Corticostriatal Output Gating during Selection from Working Memory
Chatham, C. H., Frank, M., and Badre, D. (2014).
Neuron 81, 930-942, Feb 19.

この論文は、Working Memoryに保持された情報から、状況に応じた適切な情報を選択するための処理機構として提案されてきたoutput gatingが皮質線条体回路によって実現されていることを示したヒトfMRI研究です。

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2014/05/27 寺田

Semiparametric detection of significant activation for brain fMRI
Zhang, C and Yu, T. (2008).
Annals of Statistics, Vol. 36, pp1693--1725.

1つのvoxelのfMRI時系列データの畳み込みモデルに関するsemiparametricな推定法とその漸近的性質(activationの検定を含む)をご紹介させて頂きます.

血行動態反応関数(HRF)に対してガンマ関数の線形結合やsplineを仮定し,それらの関数のパラメータを推定する方法が提案されていますが,既存の方法では統計的性質が議論されていないことに加え,特定の関数表現を用いているため,真のHRFが推定される保証はありません.
例えば,畳み込みモデルの誤差は,i.i.d.とは考えにくいため,通常の漸近論を適用して,パラメータの一致性(漸近的に真のパラメータを推定可能という性質)は得られません.さらに,ドリフト項にも特定の関数形の仮定や前処理で完全に消えていると仮定するため,ドリフト項の影響もバイアスとして推定量に影響を及ぼす可能性があります.

本論文では,HRFをsemiparametricに(semiparaですが関数の特定の形を要求しない),ドリフト項をnonparametricにモデル化し,ある程度弱い仮定の下で,HRFの一致推定とHRFに関する検定を構成しています.

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2014/05/20

2014/05/20 杉本

Reducing the dimensionality of data with neural networks
Hinton GE, Salakhutdinov RR.
Science. 2006 Jul 28;313(5786):504-7.

画像認識や音声認識の分野で最近話題になっている深層学習(deep learning)の紹介を行いたいと思います。

ニューラルネットの構造において、隠れ層を多段にすると表現力が高くなることは昔から知られていましたが、過学習が頻繁に起きるため使い物にならないことがほとんどでした。そんな状況の中、2006年にHintonが発表したdeep learningは汎化能力の高いパラメータを学習でき、また画像認識や音声認識の分野で一番良いとされていた手法に大差をつける性能をほこり、機械学習の分野で今最も熱い手法となっています。

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2014/05/20 榎本

Conditional ablation of orexin/hypocretin neurons: a new mouse model for the study of narcolepsy and orexin system function.
Tabuchi S1, Tsunematsu T, Black SW, Tominaga M, Maruyama M, Takagi K, Minokoshi Y, Sakurai T, Kilduff TS, Yamanaka A.
J Neurosci. 2014 May 7;34(19):6495-509.

プレスリリース(PDF)

Tet-offシステムによって視床下部オレキシン細胞選択的にジフテリア毒素を発現させ、ナルコレプシーモデルマウスを作成。オレキシン細胞脱落のタイミング・量を精密にコントロールできるのがTet-offのよいところです。DOX食べさせてるだけで10週間細胞脱落がほぼゼロ(Fig. 2A)なのってけっこうすごい。


Genetic dissection of the circuit for hand dexterity in primates.
Kinoshita M1, Matsui R, Kato S, Hasegawa T, Kasahara H, Isa K, Watakabe A, Yamamori T, Nishimura Y, Alstermark B, Watanabe D, Kobayashi K, Isa T.
Nature. 2012 Jul 12;487(7406):235-8.

プレスリリース

こちらはサルでTet-onです。黒質-線条体路もそろそろいじれそう。


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2014/05/13

2014/05/13 鮫島

Effects of amygdala lesions on reward-value coding in orbital and medial prefrontal cortex
Rudebeck PH, Mitz AR, Chacko RV, Murray EA.
Neuron. 2013 Dec 18;80(6):1519-31. doi: 10.1016/j.neuron.2013.09.036.

[Highlights]
•Neurons in OFC and MFC differentially encode the reward value of stimuli
•Lesions of the amygdala reduce reward coding in OFC but not in MFC
•Amygdala lesions abolish differences between OFC and MFC in reward coding
•Amygdala input is not necessary for reward coding in either OFC or MFC

扁桃体を壊して MFCとOFCの単一細胞記録を解析してわかるvalue codingが変化するかどうか、領域毎に比較している仕事です。
手法的には古いですが、皮質ー皮質下のネットワークがvalue-based decisionさせたときにどう働くのか、考えさせられる仕事だと思います。


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2014/05/13 田中

Oxytocin enhances hippocampal spike transmission by modulating fast-spiking interneurons
Owen SF, Tuncdemir SN, Bader PL, Tirko NN, Fishell G, Tsien RW.
Nature. 2013 Aug 22;500(7463):458-62. doi: 10.1038/nature12330. Epub 2013 Aug 4.

オキシトシンがオキシトシン受容体を介して、海馬のfast-spiking interneuron をmodulateしているという内容の論文です。


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